困ったときの対処法

給湯器エラーコード冬に多い不具合と凍結対策まとめ

冬の給湯器エラーは、凍結や低温によって発生しやすいため、原因を正しく特定し、迅速に対処することが重要です。本記事では、冬に多い症状やエラーコードを体系的に整理し、短時間でできる初期チェックから安全な応急処置、凍結のメカニズムまでわかりやすくまとめています。さらに、屋外設置・屋内設置ごとの注意点、事前にできる予防策、メーカー別マニュアルの確認方法も詳しく紹介。自分で行えるメンテナンスと、専門業者を呼ぶべき判断基準も解説しているため、初心者でも安心して読み進められます。最後に、実例とFAQで理解を深め、冬のトラブルを未然に防ぐための行動まで全体像を把握できる構成です。

 

  1. はじめに — 冬に給湯器エラーが増える理由

1-1. 冬は給湯器トラブルが増加する季節である理由

冬は外気温が急激に下がり、給湯器本体や配管に負荷がかかるため、エラーコードが特に発生しやすい季節です。寒波や氷点下の気象条件により、配管凍結・ガス供給の不安定化・給排気口の雪詰まりなど複数の要因が重なりやすく、トラブルの原因特定が難しくなります。
たとえば、水道配管が凍結すると給湯器が水を吸い上げられず「点火不良(111)」が起き、強風や積雪でガスメーターの安全装置が作動すると「ガス供給不足」のエラーが表示されることがあります。さらに、排気ダクトや吸気口が雪で塞がれると「給排気異常(501)」が発生しやすくなります。
このように冬は本体故障だけでなく、周辺環境による影響でもエラーが起こるため、原因切り分けと適切なトラブル診断が欠かせません。

 

1-2. 冬場の代表的なエラーコードと凍結リスクの関係

冬に発生しやすいエラーコードの多くは、給水配管の凍結や外気温の低下によるセンサー異常など、寒冷環境が引き金となる現象が関係しています。給湯器は水・ガス・電気・排気の4要素で動く設備であり、いずれかが寒波や氷点下で制限されるだけでも、安全装置が作動してエラーが表示されます。
たとえば、配管凍結による水の流れの停止では「111/112(点火不良)」が発生し、結露や低温による内部センサーの誤作動では「140(過熱防止)」が起こります。さらに、排気口や吸気口に雪や氷が付着すると「501(給排気異常)」が表示され、凍結防止ヒーターの不調が原因の場合は「610」が出ることもあります。
冬のエラーコードは、配管の保温や凍結防止策を行うだけで防げるケースが多いため、事前のメンテナンスや周辺環境のチェックが非常に重要です。

 

  1. 冬に多い給湯器エラーとは?

2-1. 冬場に頻出する症状の一覧(お湯が出ない/点火しない/エラー表示)

冬に起こりやすい給湯器トラブルは、「お湯が出ない」「点火しない」「エラーコードが表示される」の3つに大きく分かれます。外気温の低下によって配管凍結やバルブの固着、流量センサー・温度センサーの誤作動が起きやすく、給湯システムが正常に燃焼制御を行えなくなるためです。
具体的には、蛇口をひねっても水しか出ず点火動作に入らない、浴室リモコンに「111」「611」などのエラーが表示されて動かない、途中でお湯がぬるくなり再点火を繰り返す、シャワーの温度が安定せず温度ムラが出る、といった症状が代表的です。また、湯はり中に突然エラーが発生し停止するケースも少なくありません。
冬の症状は、給湯器本体の故障だけでなく、周囲の気象条件や配管凍結など外部要因が原因となることも多いため、まずは症状の切り分けと基本的なトラブル診断が重要です。

 

2-2. 冬特有の外的要因(凍結・低温・雪・強風)の影響

冬の給湯器トラブルは、外気温の低下や積雪、強風といった外的要因によって発生するケースが非常に多く、特に屋外設置型のガス給湯器では影響が直結します。寒波や氷点下の環境では配管凍結・ガスメーター遮断・給排気口の雪詰まりなどが起こりやすく、機械内部のセンサーや電装基板にも負荷がかかります。
具体的には、配管凍結によって水が流れず点火ユニットが作動できない、低温で温度センサーが誤反応を起こす、給排気ダクトが雪で塞がれ「501エラー」が表示されやすくなる、強風でガスメーターの安全装置が働きガスが遮断される、さらに本体内部の結露が基盤に影響し異常反応を引き起こす、といった症状が代表例です。
このように冬の外的環境は給湯器の燃焼制御や安全装置に大きく影響するため、気温変化に応じた凍結防止対策や事前のメンテナンスが不可欠です。

 

3.【一目で分かる】冬に多いエラーコード一覧

3-1. 表の見方(コード/意味/想定原因/緊急度)

エラーコード表は「コードの意味」「考えられる原因」「緊急度」の3点を押さえることで、状況を正確に判断できるようになります。給湯器には点火不良や過熱防止、異常燃焼などを検知する安全機構が多数組み込まれており、エラー表示は故障だけでなく“保護機能が作動したサイン”としてリモコンに警告されるためです。
たとえば、111は点火失敗を示し、ガス圧の低下・凍結による水圧不足・強風でガスメーターが遮断されるといった要因が考えられます。501は給排気ダクトの閉塞が原因で、積雪や氷によって給排気口が塞がれた際に多く発生します。611は水量不足や配管凍結の疑いがある時に表示され、気温が氷点下に近い日に起こりやすいのが特徴です。
また、緊急度が「高」と示されている場合は、異常燃焼防止のため操作を続けず、すぐに停止や確認が求められます。エラー内容を正しく読み取れるようになると、応急処置で対応できるか、専門業者へ相談すべきかを冷静に見極められ、不要な不安や誤操作を防ぐことができます。

 

3-2. 代表例

冬に特に多い給湯器のエラーコードは、原因が共通していることが多く、基本的なチェックだけで改善できるケースが少なくありません。寒波や放射冷却による氷点下、配管凍結、強風によるマイコンメーター(ガスメーター)の遮断、給排気口の閉塞など、冬特有の外的環境がガス給湯器へ直接影響を与えるため、複数のエラーが似た症状として現れやすいのが特徴です。

 

  • 111(点火不良)

想定原因: ガス供給不安定・凍結・積雪・強風による点火ユニットの消火
即時対処: ガスメーター(マイコンメーター)の復帰操作、給排気口周辺の雪や氷を除去、配管凍結が疑われる場合は自然解凍を待つ

 

  • 611(水量不足/水路凍結)

想定原因: 屋外配管の凍結、水圧低下、給水バルブの凍結
即時対処: 配管の状態や凍結防止ヒーターの作動確認、蛇口側の凍結チェック

 

  • 501(給排気異常)

想定原因: 吸気口・排気口が雪・氷・落ち葉などで塞がれている
即時対処: 給排気ダクトの閉塞物を除去し、強風時は風向きも確認

 

  • 903(燃焼異常)

想定原因: 温度センサー・流量センサーの誤作動、強風、ガス圧低下
即時対処: リセット操作を実施し、ガス遮断の有無や供給状況を確認

 

冬場のエラーの多くは、寒冷地特有の環境変化による一時的な不具合が原因のため、まずは「凍結の有無」「給排気口の状態」「ガスメーターの遮断」の3点をチェックするだけで、早期解決につながりやすくなります。

 

3-3. メーカー別の注意点

給湯器のエラーコードは、同じ数字でも メーカー別仕様や機種ごとの独自設定 により意味が異なるため、コード番号だけで判断しないことが重要です。多くの給湯器には 自動診断機能や安全装置 が搭載されていますが、111や501といった主要コードは共通しやすい一方で、細かな内容はノーリツ・リンナイ・パロマなどのメーカーによって解釈が変わる場合があります。

たとえば、ノーリツとリンナイでは同じ611でも「水量センサー異常」「凍結疑い」といったようにエラーの原因が異なるケースがあります。またパロマ製では、給排気システム の異常が900番台で表示される機種も存在します。さらに、旧モデルの給湯器はエラー体系が現在と異なり、ネット検索の情報と一致しないことがあるため注意が必要です。

マンションの場合、集中給湯システム を採用している物件では「個別エラーではない」ケースもあり、ユーザー側の操作では解決できないことがあります。こうした メーカー差や機種固有のエラー を理解しておけば、誤診断によるトラブルを避けられ、正確な初期対応や点検依頼につながります。

 

  1. まず試すべき「3分チェック」

4-1. 安全の基本確認

給湯器から異臭や焦げたようなにおいがする場合は、ガス給湯器特有の 危険兆候 が出ている可能性が高いため、操作を続けず 安全を最優先 してすぐ使用を中止する必要があります。ガス漏れや 燃焼不良、さらには内部基板のショートなど電気系統の異常がある状態で稼働させると、火災リスク や 一酸化炭素中毒 につながる恐れがあるためです。

 

  • ガスのにおいがする場合
    ガス漏れの可能性が高いため、元栓を閉めて窓を開け、速やかに換気を行う。ガス漏れ警報器が反応している場合は特に注意。

 

  • 焦げ臭いにおいがある場合
    内部配線の過熱やショートが疑われ、漏電・感電リスクもあるため即時に使用停止が必須。

 

  • バチバチ音・異音が続く場合
    点火不良や電気系統のトラブルのサインで、熱交換器周辺の故障が隠れていることもある。

 

  • 配線の変色・焦げ跡がある場合
    経年劣化や過電流による電気トラブルが進行している可能性が高く、緊急停止レベル。

 

給湯器周辺にこうした 故障サイン が見られたら、応急処置として安全を確保したのち、これ以上操作せず 専門業者へ点検を依頼 することが最も確実です。誤った判断で使用を続けると重大事故につながるため、早めの対応が重要です。

 

4-2. 電源・ガスメーター・元栓の確認手順

冬に多い給湯器のエラーの多くは、「電源リセット」「ガスメーター(マイコンメーター)の復帰」「ガス元栓や給水バルブの開閉確認」といった基本的なセルフチェックだけで解決するケースが少なくありません。
冬場は外気温の低下や強風・積雪といった環境要因により、安全装置が作動して“誤作動”のような状態が起こりやすく、本体故障と勘違いされやすいためです。

 

① 電源プラグの確認(停電復旧後は要注意)

  • コンセントの半抜けや接触不良がないか確認
  • 停電からの復旧後は、給湯器の電源が自動的にオフになり、起動しないトラブルが発生することもある

② ガスメーター(マイコンメーター)の状態確認

  • 赤ランプが点滅している場合は ガス遮断 が発生
  • 代表的な原因:強風・振動・短時間での大量ガス使用・ガス圧低下
  • 復帰ボタンを押して1〜3分待つと、多くは正常にガス供給が再開される

③ ガス元栓・給水バルブの開閉チェック

  • 掃除や荷物移動の際に、元栓を誤って閉めてしまう事例が冬場に多い
  • 元栓が半開きだと 点火不良(111) が起こりやすく、お湯が出ない原因になる

 

これらの3ステップはメーカーも推奨する「最初に行うべき基本チェック」であり、わずか数分の確認で多くの給湯トラブルを解消できます。
冬場のエラーコードは本体故障よりも“外気温や環境による一時的な不具合”であることが多いため、まずはこの簡易リセットで状況を切り分けることが重要です。

 

4-3. リセット操作と注意点

エラーが一時的なものであれば、給湯器のリセット操作だけで改善するケースは多く、特に冬場は誤作動や安全装置の一時的な作動が原因でエラーコードが出ることがよくあります。ただし、何度リセットしても改善しない場合は、本体の異常や内部部品の劣化が疑われるため、無理に使用を続けるのは危険です。

  • リセットで改善しやすい状況
  • 凍結前後のセンサー誤作動
  • 強風による燃焼停止
  • 電源の瞬断で一時的にマイコンメーターが反応した場合

 

  • リセットしても改善しない状況
  • バーナーや電磁弁の故障など内部の燃焼系トラブル
  • **給排気異常(501)**が繰り返し発生する
  • 111(点火不良)が頻発する
    → これらは安全リスクが高く、早急に専門業者へ相談する必要があります。

 

  • リセット時の注意点
  • 短時間で何度も操作すると、逆に誤作動を誘発する場合がある
  • エラー番号を控えておくと、後の故障診断がスムーズ
  • 電源プラグを抜く → 30秒待つ → 挿し直す の基本手順を守る

 

リセットはあくまで「応急処置」であり、エラーが再発する場合や異臭・異音がある場合は、ただちに使用を中止し、安全確認を行ったうえでメーカーサポートや専門業者に依頼するのが最も安全です。

 

  1. 応急処置でお湯を確保する方法

5-1. 一時的にお湯を得る代替手段

給湯器が使えなくなった場合は、火傷防止や事故リスクを避けながら、安全にお湯を確保できる応急処置を選ぶことが最も重要です。特に冬場は外気温の低下により冷水の使用が難しく、日常生活に大きな支障が出るため、無理にガス給湯器を動かすと故障の悪化やガス漏れの危険性につながることがあります。

お湯の代替手段としては、以下のような家庭でできる簡単な応急対応が役立ちます。

  • 電気ケトルで必要な分だけ沸かす
  • ガスコンロで鍋のお湯を温める
  • 洗面器に湯を張って部分的な洗浄に使う
  • ポット・魔法瓶で保温しながら使う
  • 応急処置の注意点
  • 熱湯を扱う際は火傷防止のため厚手の手袋を使用する
  • 小さな子どもや高齢者がいる家庭では、転倒や火傷リスクが高く要注意
  • 浴槽に熱湯を直接注ぐと、急激な温度差により浴槽破損の恐れがある

給湯器が停止しても、慌てず適切な応急対応を行えば、数時間〜半日程度の生活用水を安全に確保できます。無理な操作は避け、状況が改善しない場合は早めに専門業者へ相談することが賢明です。

 

5-2. 凍結が疑われる場合の即時対応

凍結が疑われる場合は、まず「自然解凍」を基本とし、給湯配管や水道管に負担をかけないよう、ゆっくりと氷を溶かす方法がもっとも安全で確実です。特に、熱湯をかけて急加熱すると配管の膨張が起きやすく、バルブや継ぎ手が破損して水漏れや水圧変動を引き起こすリスクが高まるため、寒冷地対策としても避けるべき行為です。

 

正しい復旧手順は次のとおりです。

  1. 給湯器の電源を切る
    内部部品の保護や感電防止のため、最初の“安全措置”として必ず行う。
  2. 外気に触れる給湯配管へ「ぬるま湯」をゆっくりかける
    温度の目安は30〜40℃。
    凍結防止機能が働かない状況でも、過度な加熱を避けることで配管破裂のリスクを抑えられる。
  3. 室内暖房をつけて家全体を暖める
    屋内側の水道管凍結が解消しやすく、解凍作業が効率よく進む。
  4. 1〜2時間ほど自然解凍を待つ
    氷点下の気温で凍った場合でも、保温材の効果と室温上昇により、氷が溶け始めると「ポタポタ」という水音が聞こえることが多い。
  5. 電源を入れて試運転する
    エラーメッセージが消えれば復旧成功。

よくある誤った対処

  • 熱湯を大量にかける
  • ドライヤーを至近距離で当て続ける
  • バーナーなど直火で温める

 

これらは配管破損や火災危険性を高めるため絶対に避ける必要があります。

凍結トラブルは焦らず「ゆっくり温める」のが原則です。正しい点検手順を守れば、給湯器や配管へのダメージを最小限に抑え、安全に復旧作業を進められます。

 

5-3. やってはいけないこと

冬の給湯器トラブルが起きた際に誤った対処をすると、ガス漏れや不完全燃焼、さらには火災につながる重大事故を引き起こす恐れがあります。給湯器はガス・電気・水圧が同時に関わる精密な設備であり、外部からの過度な加熱や誤ったDIY修理に非常に弱い構造です。そのため、危険行為は必ず避ける必要があります。

  • 危険行為の具体例

熱湯を直接かける行為
→ 配管が急激に膨張し、配管破裂や給湯配管の損傷につながる。

何度もリセットを繰り返す
→ 安全装置や内部の電磁弁・バーナーに負荷がかかり、状況を悪化させる原因に。

給湯器のカバーを自分で開ける(DIY修理)
→ 内部の電気ショートや漏電、感電リスクが極めて高い。

火気(バーナー・トーチ)を近づける
→ 側板の変形だけでなく、ガスが残留している場合は発火につながる危険行為。

エラーコードを無視して使い続ける
→ 501(排気異常)や111(点火不良)が続いている状態での使用は、過熱・排気不良が進行し非常に危険。

凍結状態で無理に水を出そうとする
→ 氷点下で配管内の圧力が上がり、配管破裂や水漏れを招く。

 

不具合が発生したときは、何を“やらないべきか”を理解することも重要な安全対策です。危険行為を避け、無理な自己判断を控えることで、トラブルを悪化させずに安全に復旧へ進むことができます。異常が続く場合は、必ず専門業者やメーカーサポートへ相談し、適切な点検・修理を受けることが賢明です。

 

  1. 凍結のメカニズムと給湯器へのダメージ

6-1. 給湯器の水が凍る仕組み

給湯器内部の配管や水路は、外気温が氷点下に近づく冬場になると急激に冷え込み、内部の水が膨張しながら凍結することで大きな負荷がかかりやすくなります。水は凍ると体積が増える性質があり、細い金属パイプや熱交換器まわりで氷が生じると強い膨張圧が発生するためです。特に給湯器は屋外設置型が多く、北側や日陰・風通しの良すぎる場所に取り付けられている場合、外気温低下の影響をそのまま受けやすい構造になっています。

また、以下のような環境では凍結リスクがさらに高まります。

  • 夜間に気温が氷点下まで下がる地域
  • 給湯器を外壁に直付けしている住宅
  • 長期間お湯を使わず、水が配管内で滞留している状態
  • ベランダや屋外露出部に給水配管があるケース

このような条件下では、配管内の水温が一気に低下し、氷詰まりや配管破裂につながる凍結トラブルが発生しやすくなります。給湯器は構造上、凍りやすい部位が複数存在するため、冬季は特に注意が欠かせません。

 

6-2. 凍結が引き起こす代表的なトラブル

凍結が発生すると、給湯器は安全装置が作動して停止したり、エラーコードが表示されたりと、さまざまな不具合につながります。
氷点下の冷え込みで配管内部の水が膨張すると、想定以上の圧力がかかり、給湯器の部品や金属パイプに深刻な負荷を与えてしまうためです。

  • 具体的に起きやすいトラブル
  • お湯がまったく出ない(凍結)
    → 外気温低下によって水路が氷詰まりし、給湯器が自動的に運転を停止する。
  • 配管の亀裂・破裂
    → 膨張圧力で給水配管が押し広げられ、破損につながる。
  • 解凍後の水漏れ(漏水トラブル)
    → 氷が溶けたタイミングで亀裂から水が噴き出すケースも多い。
  • 基板・バルブ・電装部の故障
    → 破れた配管からの水が内部に侵入し、電装基板に浸水してショートすることもある。

このように、凍結は単なる「お湯が出ない」という一時的なトラブルではなく、配管破裂や部品交換が必要になる重大な故障へ発展する危険性がある点を理解しておくことが重要です。冬場や寒波が続く地域では、凍結防止対策を日頃から行うことが、修理費用や緊急対応を避ける最善策になります。

 

6-3. 給湯器を凍結から守るための予防策

冬場の給湯器トラブルを防ぐには、配管内の水を動かし続けることと、外気温の影響を和らげる環境作りが非常に重要です。水が流れている状態であれば、氷点下でも配管凍結が起こりにくく、給湯器本体やバルブ、金属パイプへの膨張圧による負荷も軽減できます。

  • 具体的な凍結予防策
  1. 水を少し流しておく(チョロ出し)
    – 蛇口から微量の水を出すだけで、凍結リスクを大幅に減らせます。
  2. 凍結予防ヒーター・保温材の活用
    – 給湯器内部や給水配管に保温材を巻くことで、外気温低下による凍結を防ぎます。
    – 自動凍結防止ヒーターが作動する屋外設置型の給湯器では、電源を切らないことが重要です。
  3. 設置環境の改善
    – 風の直撃を避けるために、風除けパネルを設置すると効果的です。
    – 北側や日陰、ベランダなどの屋外露出部に設置されている場合は特に有効です。
  4. 長期不在時の対策
    – 旅行や出張などで給湯器を長期間使わない場合は、専門業者に凍結防止措置を依頼するのが安心です。

冬場は、事前の凍結予防対策や保温メンテナンスを徹底することで、配管破裂や水漏れなどの重大トラブルを未然に防ぐことができます。氷詰まりや漏水が起きる前に、早めの対策と定期点検を心がけることが最も効果的です。

 

  1. 凍結後の対処法

7-1. まず最初に行うべき安全確認

凍結が疑われる場合は、絶対に無理に給湯器を稼働させず、まず安全確認を行うことが最も重要です。
凍結状態で給湯器を動かすと、配管や内部部品に亀裂や破損が広がり、水漏れ・ガス漏れ・機器故障などの二次被害につながる危険性があります。

  • 冬場の安全チェックのポイント
  1. ガス臭の確認
    – 異臭がする場合は、絶対に触らずガス会社に連絡すること。
  2. 本体周りの水漏れ確認
    – 配管凍結が解け始めて漏水トラブルが発生していることがあります。
  3. エラーコードの確認
    – 給湯器内部の安全装置が作動している場合、エラーコード(111、501、611など)が表示されることがあります。
  4. 電源状態の確認
    – 電源を切ると自動凍結防止ヒーターが作動せず、凍結リスクが高まるため、必ず電源は入れたままにしておくことが重要です。

凍結が疑われた際は、焦らず落ち着いて配管や給水管、バルブの安全チェックを行うことで、二次被害防止につながります。
万が一、水漏れや異常が見つかった場合は、専門業者やガス会社への連絡を優先し、無理に使用しないことが安全確保の基本です。

 

7-2. 自宅でできる凍結解除の方法

給湯器の凍結解除は、基本的に自然解凍かぬるま湯で徐々に温める方法が最も安全です。
急激な温度変化を与えると、配管や内部部品に破損リスクが生じ、水漏れや機器故障につながる可能性が高くなるため注意が必要です。

  • 安全な解凍方法の具体例
  1. 自然解凍を待つ(最も安全)
    – 気温が上がると凍結した配管や水路の氷がゆっくり溶け、給湯器を安全に再稼働できます。
  2. タオルを巻き、ぬるま湯(約40℃)で温める
    – 金属配管部分を中心に、徐々に温度を上げることが重要です。
    – 熱湯や急加熱は避け、膨張による破損や漏水を防ぎます。
  3. 配管ヒーターやドライヤー(弱風)を使用
    – 時間をかけて徐々に温めることで、凍結部位のダメージを防ぎます。
    – ドライヤーの強風や高温は火災リスクがあるため使用不可です。
  4. お湯側の蛇口を少し開けておく
    – 解凍後、自然に水が流れ始め、配管内の圧力も緩和されます。
  • 注意点
  • 給湯器本体カバーや電装部には直接触れない
  • 凍結中に給湯器を無理に起動しない
  • 焦らずゆっくり温めることで、二次被害防止と機器保護が可能

冬場は外気温低下による配管凍結トラブルが多いため、正しい手順で安全に解凍することが、給湯器の故障防止と安定運転につながります。

 

7-3. 解凍後に必ず行うチェックと、業者へ依頼すべきケース

給湯器の凍結解除後は、水漏れや異音、点火不良などのトラブルがないか入念に安全確認を行うことが重要です。
凍結は解けた後に内部損傷や配管亀裂が隠れているケースが多く、放置すると水漏れや故障が拡大する可能性があります。

  • 解凍後に行うべきチェック項目
  • 配管まわりに水漏れがないか
    → 亀裂や破損によって少量の滴下から始まることがあります。
  • 給湯器から異音(カチカチ音)がないか
    → バルブやポンプの不具合のサインの可能性があります。
  • 通常通り点火するか
    → 点火不良が続く場合、凍結によるダメージの可能性があります。
  • お湯の温度が安定しているか
    → 熱交換器や内部部品のトラブルが隠れていることがあります。
  • 専門業者に依頼すべきケース
  • 解凍後も水漏れがある
  • エラー表示が消えない
  • 給湯器が起動しない
  • 異音が続く
  • 配管破裂や内部損傷が疑われる

凍結は軽症に見えても、内部部品や配管にダメージが生じている場合があります。
少しでも異常を感じたら、早めに専門業者に点検・修理依頼することで、修理費用の増大や二次被害を防ぎ、安全に給湯器を使用できます。

 

  1. 凍結を防ぐための年間チェックリスト

8-1. 冬前に行う予防メンテナンス

冬の給湯器トラブルを防ぐためには、冬本番を迎える前に給湯器本体・配管・周辺環境の事前点検を行うことが重要です。
寒さが厳しくなってからでは凍結対策が遅れ、エラーコードの表示や給湯器の故障リスクが大幅に高くなります。

冬前にチェックすべき具体項目

  • 配管保温材の破れや劣化
    → 隙間や破れがあると冷気が入り込み、配管凍結しやすくなります。
  • 給湯器本体の外装状態
    → 外装破損や亀裂があると内部に冷気や水が入り込み、給湯器本体の故障リスクが上がります。
  • 外部設置の場合の風当たりチェック
    → 強風による冷却で配管や機器が凍結しやすくなるため、風除けパネルや設置場所の工夫が有効です。
  • 追い焚き配管の保温状態
    → 給湯器本体より追い焚き配管の方が先に凍結するケースが多く、保温材での防寒対策が必要です。
  • リモコンのエラー履歴確認
    → 過去に冬場トラブルがあった場合は、早めに対策やメンテナンスを行うことで凍結によるエラーを未然に防げます。

冬前の事前点検と予防メンテナンスを徹底することで、給湯器凍結防止や冬場の給湯器トラブルを大幅に減らすことができます。
安全に給湯器を使用するためにも、低温対策・配管保温・早めの点検を心がけましょう。

 

8-2. 冬の間に実践する凍結予防習慣

冬場の給湯器トラブルは、毎日の小さな習慣で凍結予防の効果が大きく変わります。特に深夜や早朝の外気温低下は予測できず、日常の行動によって配管凍結やエラーコードの発生リスクをコントロールできます。

  • 就寝前にお湯側の蛇口を少量だけ開けておく
    → 水が流れている状態だと、給湯器内部や追い焚き配管が凍結しにくくなります。
  • 外気温が0℃を下回る日は、浴槽の残り湯を捨てない
    → 追い焚き配管の凍結防止に役立ち、冬季メンテナンスの一環として有効です。
  • 給湯器の電源は絶対に切らない
    → 凍結防止ヒーターが作動しなくなり、低温による故障リスクが高まります。
  • 風が強い日は、段ボールや防風カバーで風よけ対策
    → 直接冷風が当たるのを防ぎ、配管や本体の凍結を抑制できます。
  • 積雪時は給排気口が雪で塞がれていないか確認
    → 排気口の雪詰まりは、エラーコード501や燃焼異常の原因になることがあります。

日常的にこれらの小さな対策を継続することで、冬場の給湯器凍結予防や配管凍結防止ができ、安全にお湯を確保しながら冬を乗り切ることが可能です。

 

8-3. 春〜秋に行う長期的なメンテナンス

一年を通して給湯器を快適に使うためには、春〜秋の比較的暖かい時期に 給湯器点検・メンテナンス を行うことが重要です。気温が高い季節は凍結の心配がなく、じっくりと 配管や保温材のチェック や フィルター清掃 ができるため、冬場のトラブルや エラーコード・水漏れリスク を未然に防ぎやすくなります。

【具体的なメンテナンス例】

  • 配管保温材の交換・巻き直し
    → 劣化した保温材は冬に凍結しやすくなるため、事前にしっかり保護する
  • フィルターやストレーナーの清掃
    → 水量不足や点火不良など、給湯器本体の不具合を防止
  • 給湯器周辺の雑草やゴミの除去
    → 湿気や虫による故障リスクを抑える
  • 古い給湯器の交換検討
    → 10〜15年使用した給湯器は冬場の故障やトラブルが増える
  • 屋外配管への追加保温カバー設置
    → 凍結対策を強化し、給湯器の寿命を延ばす

冬に慌てず安全に使用するためには、暖かい季節の段階で 給湯器本体・配管・周辺環境の事前点検 を徹底し、凍結防止や故障予防を行うことが最も効果的です。

 

  1. よくある質問(FAQ)

9-1. エラーコードが出たまま使い続けても大丈夫?

給湯器にエラーコードが表示された状態での使用は、基本的に避けることが重要です。エラーは給湯器の故障前兆や安全装置の作動サインである場合が多く、無視して使用すると水漏れや点火不良、さらには火災や火傷など重大なトラブルにつながる可能性があります。

  • 610・611(凍結関連エラー)
    → 配管や給湯器本体が凍結や破損により故障する恐れがあり、水漏れリスクも高い
  • 501(給排気・点火不良)
    → ガス供給異常を示す場合があり、繰り返し点火操作を行うと安全装置が作動し危険
  • 760・761(混合弁異常)
    → 温度調整が正しく行えず、熱湯が出て火傷リスクが高まる

エラー表示が出ている状態での使用は、凍結防止ヒーターや安全装置の誤作動確認、給湯器の点検・チェックを行ったうえで、適切な対応手順に沿って安全に処置することが大切です。特に冬場は外気温の影響で凍結や誤作動が起こりやすいため、無理な使用は避け、専門業者への相談も検討しましょう。

 

9-2. リセットを繰り返しても直らない時はどうすればいい?

リセットを2〜3回試しても給湯器が改善しない場合は、原因が内部部品にある可能性が高く、必ず専門業者による点検・メンテナンスを依頼すべきです。
頻繁に電源リセットを繰り返しても、問題の先延ばしになるだけで、点火制御や電磁弁、基板といった内部トラブルを見逃すと、修理費用が増加するリスクがあります。

  • 電源の入れ直しで一時的に動作しても
    → 内部センサー異常や給湯器故障の兆候が残っていることがあります
  • ガスメーター復帰後に再度エラーが出る場合
    → 点火制御不良、電磁弁の作動不良、基板トラブルが疑われます
  • 凍結時にリセットだけを行った場合
    → 配管や水路に氷が残っており、再エラーが発生することが多いです

冬場の給湯器トラブルは、自己判断での操作や誤作動を放置すると、水漏れやガス漏れ、さらなる故障につながる可能性があります。繰り返しリセットしても改善しない場合は、必ず専門業者の安全確認と点検を受けることが最も確実で、安全な対処方法です。

 

9-3. 凍結した配管を自分で解凍しても大丈夫?

正しい方法での解凍であれば、給湯器凍結の対処として安全に行えますが、誤った方法は配管破損や給湯器内部の部品損傷、さらには火災リスクにつながるため注意が必要です。急激に熱を加えると、金属配管が膨張して破裂したり、水漏れが発生する恐れがあります。

【安全にできる具体的な解凍方法】

  • タオルを巻き、ぬるま湯(40℃前後)をゆっくりかけて温める
  • 気温が上がる昼間に自然解凍を待つ
  • 給湯器の電源は入れたままにして凍結防止ヒーターを作動させる

【絶対に避けるべき危険行為】

  • ドライヤーを近距離で当て続ける
  • 熱湯を直接配管や本体にかける
  • バーナーやヒーターで急加熱する

これらの行為は、配管破損や給湯器故障、点火不良や水漏れといった冬のトラブルを引き起こす典型例です。焦らず、正しい手順でゆっくり解凍することで、給湯器本体や内部部品へのダメージを避け、安全にお湯の供給を再開できます。不安がある場合やエラーコードが表示される場合は、専門業者に相談することが最も安全です。

 

9-4. どのエラーなら自分で対処できて、どのエラーは業者を呼ぶべき?

給湯器のエラーコードは、外部要因による一時的なトラブルなのか、内部部品の故障やガス給湯器の安全装置が作動しているのかによって対応が大きく変わります。基本的には、
**「自分で対処できる軽度のエラー」**と 「専門業者による修理・点検が必要なエラー」 を明確に区別することが重要です。
給湯器内部の基盤やセンサー異常が疑われる場合、ユーザー側で分解整備や修理を行うことは法律上認められておらず、誤った操作は故障リスクを高めるためです。

【自分で対処できるケース】

  • 凍結による610・611エラー
    → 自然解凍や、給水フィルター確認で正常復帰することが多い
  • 110(点火不良)
    → ガスメーターの復帰操作やガス栓の開閉チェックで改善
  • 140(フィルター詰まり)
    → 給水フィルター清掃で水量不足や点火不良が解消

【業者を呼ぶべきケース】

  • 501(点火制御異常)
    → 内部制御基盤・電磁弁の問題で、専門業者の故障診断が必須
  • 712(ファンモーター異常)
    → 分解整備が必要で、自力対応は危険
  • 760(混合弁の故障)
    → 温度調整機能が異常となり、やけど・温度不安定の原因に

軽度のエラーであれば、自分でできる範囲のトラブルシューティングで復帰できることもありますが、内部の部品交換や経年劣化による異常が疑われる場合は、必ず専門の修理業者やメーカー点検を依頼することが安全です。結果的に修理費用の増大を防げ、給湯器を長持ちさせることにつながります。

 

9-5. 凍結防止ヒーターはつけっぱなしで問題ない?電気代は?

凍結防止ヒーターは基本的に つけっぱなしでも問題なく、冬場の寒波が続く時期は常時ONにしておくことが推奨 されます。給湯器や配管が凍結すると 水漏れトラブルや内部破損 に発展し、結果として 修理費用が高額になるケース が多いためです。僅かな 待機電力 を惜しんで電源を切ってしまうと、寒冷地だけでなく都市部でもリスクが高まります。

【具体例】
• 多くの給湯器の凍結防止ヒーターは
1〜3W程度の超低消費電力で、省エネ性に優れる
• 24時間稼働させても
1ヶ月の電気代は数十円程度とランニングコストは極めて小さい
• 電源を切ってしまうと
凍結防止機能が完全停止し、一晩で配管凍結や破裂に繋がる可能性がある

このように、凍結予防の観点からは電気代よりも 故障防止効果のメリットが圧倒的に大きい ため、冬の間は電源を入れたまま安全に運転することが最適な選択と言えます。

 

  1. 自分でできる簡単メンテナンス

10-1. 日常点検

日常的に“見た目のチェック”や外観確認を行う習慣をつけることで、冬場に起きやすい給湯器トラブルを高い確率で未然に防げます。多くの故障は必ず前兆があり、サビや変色、異音などの「外観の小さなサイン」として現れるため、早期発見が非常に重要です。軽微な異常の段階で気づいて対処すれば、深刻な劣化や凍結による重大トラブルを避けられます。

冬前に以下の外観チェックを行うだけでも、予防保全として大きな効果があります。

■ 外観チェックの主なポイント

  • 本体のサビ・変色・腐食の有無
    → 経年劣化の進行を早期に発見できる
  • 配管テープの剥がれや保温材の劣化
    → 凍結対策が不十分になり、寒冷地では特にリスク上昇
  • ドレン排水の詰まり・結露の状態
    → 湿気がこもるとエラー発生や内部部品の故障につながる
  • 異音・振動が増えていないか
    → ファンモーターやバーナーの初期不良、排気異常の兆候
  • 水漏れ跡の確認
    → 配管のゆるみやガス・水漏れの前兆を察知できる

このような日常点検を短時間でも続けることで、給湯器の安全性が高まり、冬場の凍結や故障を大幅に減らせます。日々の小さな確認が、結果的に修理費の節約や長寿命化につながるため、習慣化することが大切です。

 

10-2. 年1回・冬前にやるべき点検リスト

冬本番に入る前に 年1回の給湯器点検(年次点検) を行っておくことで、寒冷地で起こりやすい 凍結トラブル や冬特有の エラーコードの発生 を大幅に減らせます。
給湯器は寒波が到来する季節に最も負荷がかかり、熱交換器や配管ユニット にストレスが集中しやすいため、事前の 予防保全(メンテナンス) が安全性や寿命に直結します。

冬前にチェックしておきたい具体的な項目は以下の通りです。

給水フィルターの清掃
→ 目詰まりによる湯量低下や給水圧の異常を防げる

配管保温材の巻き直し
→ 劣化したままだと配管凍結や破裂リスクが高まる

本体パネル・給湯リモコンの動作確認
→ 温度調整の異常や点火不良を早期に把握できる

積雪地域は本体上部の雪対策
→ 排気口の凍結や吸気トラブル(排気異常)を予防

外壁まわりの隙間チェック
→ 強風で冷気が給湯器内部に吹き込み凍結するケースを回避

凍結防止ヒーター(凍結防止装置)の作動確認
→ 寒波時に故障していると保温機能が働かず、氷点下で凍結しやすい

このような 事前メンテナンスは、最小限の手間で最大の故障予防効果が得られるため、冬前の必須作業と言えます。

 

10-3. DIYでやらないほうが良い作業(安全のため)

内部の分解が必要な作業やガス関連の調整は、DIYでは絶対に行わず、必ず専門業者に任せるべきです。給湯器はガス・電気・水が複雑に関わる住宅設備であり、無資格の作業はガス漏れや火災リスク、故障悪化、さらには一酸化炭素中毒につながる危険性があります。また、ガス機器の設置基準により、法律上“有資格者しか触れない部位”も多く存在します。

DIYで絶対にやってはいけない作業の代表例は以下の通りです。

  • 内部カバーの取り外し
    → 感電事故・ガス漏れ・水漏れなど、重大トラブルの原因に直結
  • バーナーや電磁弁などの燃焼系部品の清掃・交換
    → 不完全燃焼が起こり、危険性が非常に高い
  • 基盤(電子制御部)・点火装置の調整や交換
    → 専門工具と精密な知識が必要で、誤ると本体故障を誘発
  • ガス配管のゆるみ・接続作業
    → 法律で“ガス資格者(液化石油ガス設備士など)”のみが作業可能
  • 排気筒・排気ダクトの取り外し
    → 排気異常を引き起こし、一酸化炭素が逆流する極めて危険な状態に

給湯器内部やガス設備は繊細で、誤ったDIYは保証対象外の損傷にもつながります。
安全性と機器寿命を守るためにも、内部構造やガスまわりの作業はプロの点検・修理サービスに任せることが最善の選択です。

 

  1. いつ専門業者を呼ぶべきか

11-1. 結論:安全リスクがある時点で業者を呼ぶのが正解

ガス臭・水漏れ・エラーコードの連続表示に加えて、異音や点火不良、警告ランプの点灯といった故障サインが見られた時点で、専門業者へ連絡することが最も安全で確実です。自己判断で放置すると、給湯器内部の凍結ダメージが進行し、配管トラブルや安全装置の作動につながる可能性があります。その結果、修理費用が増加したり、完全故障によって交換が必要になるケースも少なくありません。

特に冬場は外気温の低下による低温障害・水道管凍結・熱交換器の破損が急増するため、早めに相談して予防メンテナンスを行うことが、結果的にコスト削減やトラブル回避につながります。迅速に点検を依頼することが、住まいの安全性を守るうえで非常に重要です。

 

11-2. 理由:素人では判断できない“隠れトラブル”が存在するため

給湯器は、ガス・電気・水圧が関わる精密機器であり、外から見ただけでは判別できない内部トラブルが潜んでいるケースが多いです。
凍結後の「水は出るが温度が安定しない」「お湯の出が弱い」といった症状も、内部のバルブ損傷や熱交換器の微細な破損が原因の場合があり、専門的な診断が不可欠となります。
また、ガス給湯器は法律上、特定の作業は有資格者でなければ触れないため、安全確保の意味でもプロへの依頼が必要です。

 

11-3. 具体例:この症状が出たらすぐに業者へ連絡するべき

以下のような状況に当てはまる場合は、事故防止のためにも すぐに専門業者へ相談することが重要です。

  • ガス臭・異音・焦げたにおいがする
    ガス漏れや不完全燃焼、さらには基盤ショートの可能性があり、一酸化炭素中毒や火災リスクが高まります。警告ランプが点灯している場合は特に注意が必要です。
  • 給湯器本体の下から水が滴る/常に濡れている
    凍結や経年劣化による給水配管の破損が疑われ、放置すると水圧低下だけでなく水道代の高騰や内部部品の腐食にもつながります。ドレン排水が異常に増えている場合も同様です。
  • エラーコード112・111・632などが繰り返し表示される
    点火不良や燃焼系トラブル、センサー異常の可能性が高く、冬場に多い熱交換器の凍結ダメージが原因の場合もあります。自己診断でのリセットでは改善しないケースがほとんどです。
  • リモコンの電源が落ちたり、勝手に再起動する
    電圧不安定や内部基盤の故障、配線トラブルが考えられます。リモコンエラーを放置すると、さらなるショートや完全故障につながる恐れがあります。
  • 凍結後、1日以上経ってもお湯が出ない
    熱交換器や給湯配管の破損など、深刻な内部トラブルが想定されます。無理に通水すると漏水や機器内部の圧力上昇を招くため、早期の点検依頼が必須です。

これらの症状は、給湯器の安全装置が作動したり、経年劣化が表面化した「明確な異常サイン」です。自己判断せず専門業者へ連絡することで、修理費の高騰を防ぎ、機器寿命の延長にもつながります。

 

  1. まとめ

12-1. 結論:凍結は早期対応と予防がもっとも重要

給湯器の凍結トラブルは、早期対応と事前の凍結防止対策を行うことで、ほとんどのケースを防げます。凍結は冬だけの一時的な不具合ではなく、配管の凍結膨張や熱交換器の破損など、内部部品の劣化・故障につながる重大なリスクを抱えているためです。
そのため、日頃から外観チェックや日常点検を習慣化し、状態を確認しながら運転することが安全性と機器寿命の維持につながります。

特に、寒冷地や早朝の冷え込みが厳しい地域、または北側のように日陰で外気温が下がりやすい設置環境では、凍結リスクが高まりやすく、寒波対策が給湯器の寿命を大きく左右します。
冬本番を迎える前に、予防保全として配管保温や凍結防止ヒーターの確認を行っておくことで、故障リスクを大幅に減らすことができます。

 

12-2. 注意喚起:放置は故障・漏水・安全リスクにつながる

凍結状態を放置すると、以下のようなトラブルを引き起こす可能性があります。

  • 配管破損による漏水(高額修理の原因に)
  • 熱交換器やバルブの損傷による給湯不能
  • ガス燃焼部の誤作動による安全リスク
  • エラーコード連発による突然の停止

一度凍結すると、見えない部分にダメージが蓄積しているケースが多く、
「自然に溶けたから大丈夫」と安心するのは危険です。
少しでも異常を感じたら早めに専門業者に相談するほうが、結果的に費用を抑えられます。

 

12-3. CTA:困ったときは専門業者へ。無料相談・点検を活用してください

給湯器の凍結や冬場の不具合でお困りの場合は、専門業者による点検・診断を受けることを強くおすすめします。
プロの目で確認することで、隠れた損傷や早期の故障サインをいち早く見つけられ、安心して冬を乗り切れます。

  • 「お湯が出ない」「エラーが消えない」などの早期トラブル
  • 「凍結したかも?」という軽い異変
  • 凍結予防のアドバイスを知りたい場合

どんな小さな疑問でも構いませんので、まずは気軽に相談してください。
安全で快適な生活を守るためにも、専門家のサポートを上手に活用しましょう。

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